- 乾燥
乾燥すると角層の水分量が減ります。角層の柔軟性も減り、バリア機能に必要な酵素活性も減ります。 つまり炎症を起こしやすくなります。
高湿度から低湿度への急激な変化もバリア機能低下に繋がります→マスク内はこれですね。
- 掻くこと
掻くことで角層がダメージを受けバリア機能が破壊されます。
これにより
①角層のpHが上がり黄色ブドウ球菌が繁殖しやすくなる。
②炎症反応が誘導される。
③神経が表皮内に伸びてきて痒みを感じやすくなる。
この①から③が起こると角層のバリア機能は下がるため悪循環になってしまいます。
- ダニや黄色ブドウ球菌
生活していると皮膚表面にくっついていますが、これらは角層のバリア機能を障害しやすくし、免疫反応が起こりやすい状態になります。→となると、掃除と洗濯、そして入浴は大切!
- 精神的ストレス
ストレスで内因性のステロイド産生が誘導され、バリア機能低下に繋がります。
- 治療
ステロイド外用は、炎症を抑えるのでバリア機能を回復させます。ただ、正常の皮膚には逆にバリア機能を低下させるという報告があるので、アトピー性皮膚炎の方はプロトピックやコレクチム、モイゼルトを上手に使っていきましょう。
- 女性ホルモン
女性ホルモンの低下が角層の水分量、バリア機能を低下させます。
エストロゲンに似た作用のサプリといえばエクオール(インスタ2022年10月24日の投稿「更年期の味方 エクオール」に詳細あり)。
つまり、保湿、掻かない、清潔に保つ、精神的なストレスを減らす(難しいけど、上手に気分転換)、適切に治療するということになります。
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参考文献:日本臨床皮膚科会誌:38(4),564-567,2021皮膚バリア機能から見たスキンケの考え方 波多野豊