CMで見たと帯状疱疹ワクチンについて外来で相談されます。
帯状疱疹は、高齢者に多い病気です。でも若い人、それこそ子供でもかかるのです。
この帯状疱疹は水痘のウイルスが原因です。
水痘は子供の頃かかったか、ワクチン(弱らせたウイルス)を打っていて、大人は、ほぼかかったことがある状態です。このウイルスは感染後体に共存していて、免疫が下がった時に帯状疱疹として発症します。
有名な論文があって、水痘が流行すると帯状疱疹が減少するというのです。
水痘にかかっている人との頻繁な接触が大人の帯状疱疹の発症を抑える、つまり水痘のウイルスに接触することにより自分の免疫が賦活化し強化され、帯状疱疹に罹りにくくなるのです。
日本では、2014年から水痘生ワクチンが小児へ定期接種になりました。
つまり,日本は水痘そのものにかかる子が減っているということ。
水痘と触れることが減ったら、帯状疱疹の発症はどうなっていくのか。
米国では、水痘生ワクチンの定期接種化により水痘の発症79%減少し、帯状疱疹の発症は90%増加したそうです。
では現時点で日本は?
定期接種前に比べて、20歳から40歳代の若年層での発症率が上がっています。
この年齢って、出産で子供と接する機会が多い年齢です。つまり子供たちが水痘にかからなくなったことにより免疫増強効果がなくなって帯状疱疹の発症が増えていると考えられます。
そしてこの年齢で免疫増強がされないということは、その後歳をとった後の発症率も上がってくる可能性が高いです。
この帯状疱疹の発症を抑えるのが、帯状疱疹ワクチンです。
インスタの投稿になりますが、
帯状疱疹について(2022年11月22日投稿)
帯状疱疹ワクチンについて(2022年11月23日投稿)
そちらも参照にされてください。
https://www.instagram.com/toyamayokota/
参考文献:日本臨床皮膚科会誌:38(4)568-572,2021 大規模疫学研究から見えてきた帯状疱疹の予防戦略 浅田秀夫