保湿剤の違い

乾燥が気になる季節ですね。カサカサしたままだと痒みの原因になることがあります。市販の物でいいので保湿しましょう。痒くなってきた!そんなときは皮膚科へ。保湿だけでは厳しいことが多いので痒みの治療をします。

皮膚科では色々な種類の保湿剤があります。
医薬系の保湿剤で有名なのは
①ヘパリン類似物質含有製剤(ヒルドイド、ヘパリン類似物質油性クリームなど)です。
でも実は、その他にも②尿素含有保湿剤(ケラチナミン、ウレパール、パスタロンなど)、
③油脂性基材型製剤(白色ワセリン、プロペトなど)、
④ビタミン類含有製剤(ザーネ、ユベラなど)があります。

水分保有能がある外用剤は、①ヘパリン類似物質含有製剤と②尿素含有保湿剤。

③油脂性基材型製剤(白色ワセリン、プロペトなど)は、油膜が皮膚を覆って水分の蒸発を防ぐ、つまりラップ効果で、これ自体に保湿効果はありません。

①ヘパリン類似物質含有製剤は、水分を皮膚に保持することの他に、血行促進、基礎発汗を増やします。この基礎発汗を増やすことにより、皮膚の水分量を持続的に高める作用があります。

②尿素含有保湿剤も水分保有能があるのですが、乾燥時期に皮膚の薄いところに塗ると刺激になって炎症を起こすことも。角質層を柔らかくするので、角質の厚い足の裏には有効です。

その他④ビタミン類含有製剤は、ビタミンAは皮膚乾燥抑制作用があり、ビタミンEは血行促進作用があります。

最後に塗り方も大切なのです!
お風呂上がりできればすぐに(角質に水分が含ませられた状態で)、1FTU(ヘパリンだとチューブを第2指の先端から第一関節まで押し出した量)を成人の手のひら2枚分の範囲を目安に外用するのが良いです。あともう一回朝から塗るとなお有効です。保湿剤が取れやすい手は、洗うたびにこまめに塗るのがいいでしょう。

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